RD114ウイルスの情報

 RD114ウイルスは獣医微生物学の教科書にも載っておりません。極端に日本語の情報が少ないと思いますので、基本的情報を時間があるときにここにUPいたします。
 今回はRD114ウイルスの受容体についてです。ウイルスの受容体というのは、ウイルスが細胞に感染するときに必要な細胞膜に発現している分子のことです。
 人にエイズを引き起こすヒト免疫不全ウイルスはヘルパーT細胞に特異的に発現しているCD4という分子をプライマリーレセプター(主受容体)として使用します。
 猫にエイズを引き起こすネコ免疫不全ウイルスも活性化したT細胞に主に発現しているCD134という分子を主受容体として使用します。(これは我々が発見し2004年にアメリカのScienceという雑誌に発表しました。Science. 2004 303(5661):1192-1195.)日本語のわかりやすい説明はこちら↓
http://www.jst.go.jp/pr/info/info31/index.html
 ウイルスがどの受容体を使用するかを知ることは、基礎のウイルス学にとってもっとも重要なことの一つです。それがウイルスの指向性(どの細胞やどの組織に感染するか)、そして病原性を解くカギになるからです。