口蹄疫防衛ラインはそこで良いのか?

昨日の「口蹄疫の疑似患畜の確認について」の発表は時計の針が26時を過ぎてからだったようだ。http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/pdf/100522-01.pdf
発表が遅れたのは、西都市に避難していた種牛が陽性になったことが大きかったからだと思われる。
 ここで注目するのは166例目の別の西都市茶臼原での陽性患畜である。http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/chikusan/miyazakicow/h22koutei79.html
この症例は18日にネットで情報が流れている。ところが昨日発表された「口蹄疫の疑似患畜の確認について」の文書では、家畜保健所への報告は20日で、すぐに動物衛生研究所に検体を送付したことになっている。他の症例も家畜保健所へ報告があった後すぐに立ち入って、すぐに検体をしている。先週のネット上での書き込みでは、40以上もの畜産農家が検査待ちという情報があったが、もしそれが本当だとしたら、通報から検体の送付まで何日もかかっていてもおかしくない。それが農水省や宮崎県からの発表では、極めて速やかに対処しているように書いているのはとても不自然である。

 家畜保健所は農家からの報告があれば速やかに対処する必要があるが、検査の順番待ちがあるので対処できないか、あるいは、家畜保健所の人員が足りていないために農家にすぐに行けず、農家からの報告を遅れた形にして、農林水産省動物衛生研究所に報告してはいないだろうか?ひょっとしたら畜産農家も症状がはっきりするまでは家畜保健所には知らせていないのかも知れない。

 昨日も書いたがすでに高岡町にも口蹄疫が疑われる発症があったとの情報が入っている。これについてはまだ報道に流れておらず真偽のほどは分からない。動物衛生研究所に検体が送付されたのかも定かではない。

 感染から、農家から家畜保健所への通報、動物衛生研究所でのRT-PCRでの確認、公式発表まで1週間から2週間のタイムラグあることを忘れてはならない。高鍋に発生が確認されてからの感染の広がりは、以前よりも早くなっているように見える。発症までの潜伏期を考慮すると、すでに相当な範囲で感染が広がっていると考えられないだろうか?
 狭い範囲に封じ込めているという認識はもはや崩れている。18日の牛豚等疾病小委員会で議論した時とは異なった状況になっている。いま行っているワクチネーションの範囲が本当にこれで良いのか、早期出荷を促すのが本当に良いのか、再考する必要があるのではなかろうか。また、消毒ポイントもそれを見越した範囲で行う必要があるのではないだろうか?
 ワクチンを打った動物を順番に埋却していくのだろうが、ワクチン接種により埋却対象頭数が大きく増えてしまっている。ウイルスを排出している発症患畜の埋却が逆に遅れるという結果にならないだろうか?埋却はあくまで発症患畜を優先すべきである。
 ワクチンの接種自体も危惧している。口蹄疫のワクチン(Aftopor)は1ショットずつではなく、大きなボトルに入っているようだ。一つの注射筒で連続接種しているということはないだろうか?もし発症していない感染家畜がいたとしたら、ワクチンで逆に感染を広めてしまう可能性がある。徐々に内側に向かってワクチンを接種するというのだが、未発症患畜発生農家でも連続接種するのだとしたら、極めて危険である。(そうでないことを祈っている。)


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