タイムラグ

 MIXIで流れている口蹄疫に関する情報は「噂」ではなく、結構本当の情報が流れている。例えば、西都市口蹄疫発症牛発生の情報がMIXIで流れたのが18日であるが、今日(21日)になって実際にニュースとして流された。噂は本当だったのである。しかし、農林水産省からのRT-PCRの結果は昨日の段階でいまだに公表されていない。正式に発表されるまでは農林水産省はこの牛が口蹄疫陽性であるかは認めてはいないが、症状が出ている以上おそらく陽性であり、数日以内に陽性として結果が報告されるはずである。

 今日、ニュースで流れたということは、すでに、小平市の動物衛生研究所国際重要伝染病チームに検体が送付されているのだと思う。すぐにRT-PCR検査をするはずなので、おそらく今日(21日)か、明日(22日)には結果がでるのであろう。私が注目しているのは、農林水産省による正式発表がいつになるかということと、その発表(宮崎県が公表している「疑似患畜の確認について」)で公表される「確認の経過」の項目である。

 今まで公表されている、「疑似患畜の確認について」を読むと、どの検体においても、家保(家畜保健所)に通報があった日に立ち入り検査が行われ、すぐに検体が動物衛生研究所に送付されていることになっている。はたしてこれは本当なのだろうか?

 先週のMIXIの書き込みでは、検査待ちの畜産農家が40戸ほどあるということだった。しかし公表される「確認の経過」を見る限り、そのような「検査待ち」があるようには見えない。症状が確認された日に検体が送付されていることになっている。症状が見られてから、検体が動物衛生研究所に送付されるまで、本当は数日のタイムラグがあるということはないのではなかろうか?

 私は最初RT-PCR検査は各地の家畜保健所で行われているものだと思っていた。ところが検査を行っているのは、小平市にある動物衛生研究所の国際重要伝染病研究チームであるようだ。HPをみると国際重要伝染病チームの人員はチーム長を入れてわずか6名である。RT-PCR自体はそれほど手間ではないが、検体の処理(サンプルからのRNA抽出からRT-PCRまで)は5名でも1日100検体が限度ではなかろうか?口蹄疫ウイルスはあっという間に広がるウイルスであり、検体の数は指数関数的に増えることが予想される。しかし、日本ではわずか6名の部署でしか検査をしてはいけないことになっていたのだ。それでは感染爆発したとき、対応できなくなるのは目に見えているではないか!もちろん、応援部隊はこの部署に配置されるのだとは思うけれど。。。

 動物衛生研究所の検体受け入れ数に制限があるということはないのだろうか?毎日発表される「疑似患畜の確認について」では、PCR検査結果は陽性例しか書いていないが、検体の数を足してみると、だいたい50検体である。最初は1農場あたり5検体を検査することが多かったが、ここ数日は1農場あたりだいたい3検体である。一日当たりの検査が限界に達しているということがないことを祈っている。