SNV(アヒル脾臓壊死ウイルス)の受容体

SNV はアヒルから分離されたウイルスであり,REV と90% 以上のホモロジーがあり,SNV とREV は同じ受容体を使用していると考えられている.実際にSNV もRD-114 ウイルスやBaEV と同じ受容体干渉グループに属しており,ASCT2 を利用してヒト細胞に感染することができる.しかしながらヒトASCT2 のSNV 受容体としての効率は低い.また,アヒルのASCT オルソログを使用するかについても明らかになっていない.
(「動物由来レトロウイルスの受容体(宮沢孝幸著)」雑誌「ウイルス」第59 巻第2号,pp.223-242,2009より転載(一部改変))

 ASCTを受容体として用いる内在性レトロウイルスには、上記のヒヒ内在性レトロウイルス(BaEV)の他にヒト内在性レトロウイルスW(HERV-W)があります。HERV-WのEnv蛋白はシンシチン(syncytin)とも呼ばれ、ヒトの胎盤形成に関与しています。